J-PARCセンター公式サイトより
このプレスリリースが詳しそうです。用語集もありますので、気になる方はどうぞ。
↑より引用
✣ 本研究では、J-PARC加速器で真空材料として研究を進めてきた、チタンが持つ気体を吸着・吸収する特性 (ゲッター性能) に着目し、チタンを材料とした真空容器自体を真空ポンプとして活用する技術を発明しました。試作チタン製真空容器 (=ゲッターポンプ) では、従来の様に真空ポンプを継続的に用いなくても、200日以上超高真空に近い状態の維持に成功しました。さらに電子顕微鏡の真空性能を向上させること等を実証し、社会実装へ大きく前進しました。✣ 発明した技術により、ポンプの設置スペースや駆動電力が大幅に低減可能です。本技術は半導体の製造装置等の産業用装置の省電力化にもつながり、カーボンニュートラルな持続可能社会に大きく貢献します。
真空技術は半導体などの分野で必要とされています。不純物を減少できるので精密な製品には欠かせないのかもしれません。
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半導体結晶を作るひとつの手法である分子線エピタキシャル成長、という装置で用いられる超高真空はおよそ10-8Pa程度で、外気圏の静止衛星や月の軌道に近い環境になります。図1はその装置の外観ですが、外側が私たちのいる大気状態、内側がそのような超高真空が実現されています。従って、大気と真空が反対ではありますが宇宙船のように見えなくもない、と思うのですがいかがでしょうか。
↑より引用
[2]反応の質をよくするため真空が必要なもう一つの理由は、反応室中の微小な不純物を減少させ、必要な反応だけ起こさせるためです。大気中には窒素、酸素、水素等様々な気体が混ざっていて、目的の反応を起こすことが難しくなります。微小な不純物の少ない真空中にガスを流すことで、目的の材料を成膜したり、加工したりすることができます。
半導体の製造などで利用される「超高真空」をゲッターポンプを使用する事で省エネ、省スペースで可能となるようです。
価格次第でしょうがランニングコストを抑えることもできそうなので、今後の産業に大きな影響を与えるかもしれません。
↑より引用
ゲッターポンプ (Getter Pump) は、チタンのゲッター作用により排気する真空ポンプである。サブリメーションポンプ (Sublimation Pump) とも呼ばれる。これらは蒸発型のゲッターポンプであり、ジルコニウム等の活性な金属とガスの化学反応を利用した非蒸発型ゲッターポンプ(Non-Evaporable-Getterの頭文字を取って NEGポンプとも呼ばれる)も存在する。非蒸発型ゲッターポンプは真空中で高温に熱する活性化という工程が必要となるが、チタン蒸発時の飛散を避けたい用途では非蒸発型ゲッターポンプが有効である。
こんな記事もありました。なるほど半導体輸送容器ですか?
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電子顕微鏡や半導体装置の小型・省電力化のほか、電源なしで真空を保つ半導体輸送容器への応用が期待される。気体を材料表面に吸着、材料内部に吸収する「ゲッター性能」を持つチタンに着目。チタン製の真空容器の表面改質法を新たに開発し、真空容器の壁に気体を吸収・吸着する機能を持たせた。これにより、容器自体を気体ためこみ式の真空ポンプとすることに成功した。
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1.クライオポンプとは真空容器内に極低温面を設置し、これに容器内の気体分子を凝縮または吸着させて捕捉し、排気するポンプです。
機械的な可動部分が少なく、 油等を使わないため、クリーンで高い真空をつくることができます。
↑より引用
真空装置の真空チャンバー内壁には、様々な不純物が吸着する。それらは高真空へ排気する過程で放出ガスとして真空チャンバー内へと放出され十分な高真空を得ることが出来ない。そのため、真空チャンバー外壁にテープ状またはワイヤ状のヒータを巻いて、チャンバー全体を熱し、ガスを事前に放出することをベーキングと言う。真空ポンプで引きながらベーキングを行うことにより、チャンバー内の残留不純物(特にチャンバーオープン後は水が多い)が真空チャンバーへ放出され真空ポンプに排気されることにより、その後の真空チャンバー内を高真空にすることが出来る。
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