ラムダ株は以前まとめた時から未知の部分が多く危険度が高そうに思えていましたが、新たな情報が出るほど不安が増してきます…。
↑より引用
ラムダ株について伝えられていることの中でもあまり良くないニュースは、この変異株がすでに確認されている変異株の中でも、より簡単に細胞に感染できるように変化しているとみられることだ。
↑より引用
米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、7月12現在の感染者数は約207万9000人、死者は19万3000人以上。感染者の致死率は9.3%、人口10万人あたりの死者数は596.5人で、世界最悪の状況となっている。
感染者の致死率は9.3%…。9.4%とする情報も飛び交っているようです。まあ、誤差の範囲でしょうね。
↑より引用
ラムダ株と他の変異株では、ウイルスのスパイクたんぱく質の変わり方が大きく違っている。スパイクたんぱく質の一端(N末端ドメイン:NTD)にアミノ酸7つの長い欠失があるなど、14カ所に変異がある。また、スパイクたんぱく質の遺伝子のすぐ上流にあり、大きなたんぱく質をつくるORF1ab遺伝子にも、「懸念される変異株(VOC)」であるアルファ株(英国で初報告)、ベータ株(南アフリカで初報告)、ガンマ株と同様の変異がある。
なんだか素人としては14カ所変異と聞くだけで恐ろしいのですが…。ワクチンが効きにくそうな気がします。
N末端ドメイン:NTDについては↓が分かりやすそうです。
↑より引用
スパイクタンパク質はNTD、RBD、S2から構成される(図1)。COVID-19患者の免疫細胞から同定された76種類のスパイクタンパク質に対する抗体を解析したところ、スパイクタンパク質へのACE2の結合を阻害するRBDに対する抗体ばかりでなく、ACE2の結合性を増加させる抗体がNTDに対する抗体の中に存在することが判明した(図2、以下感染増強抗体)。一方、ほとんどの抗体は、スパイクタンパク質に結合しても、ACE2の結合性に影響を与えなかった。
では海外のニュースをチェックしましょう。ロイター通信より。
↑より引用Lambda variant shows vaccine resistance
The Lambda variant of the coronavirus, first identified in Peru and now spreading in South America, is highly infectious and more resistant to vaccines than the original version of the virus the emerged from Wuhan, China, Japanese researchers have found.
<略>
Although it is not clear yet whether this variant is more dangerous than the Delta now threatening populations in many countries, senior researcher Kei Sato of the University of Tokyo believes “Lambda can be a potential threat to the human society.”
ワクチン耐性を示すLambda亜種
ペルーで最初に発見され、現在、南米で感染が拡大しているコロナウイルスのラムダ亜種は、中国の武漢で発生したオリジナルバージョンのウイルスよりも感染力が強く、ワクチンに対する耐性も高いことが、日本の研究者によって明らかにされた。
<略>
この変異体が、現在多くの国で人口を脅かしているデルタよりも危険であるかどうかはまだ明らかではありませんが、東京大学の佐藤圭主任研究員は、”ラムダは人類社会に対する潜在的な脅威となり得る “と考えています。
なんと日本の研究者が出てきました。
所属 医科学研究所附属感染症国際研究センター
調べてみるとこの論文のようです。
概要
SARS-CoV-2 Lambdaは、現在、南米諸国で流行している注目の新種であるが、そのウイルス学的特徴や進化的特徴はまだ不明である。本研究では、ラムダ型のスパイクタンパク質の感染力が高いことを明らかにし、その原因がT76IとL452Qの変異にあることを明らかにした。RSYLTPGD246-253N変異は、ラムダのスパイクタンパク質のN末端ドメインに存在する7アミノ酸の欠失変異であり、中和抗体からの回避に関与している。RSYLTPGD246-253N変異を持つ分離株の頻度の増加に伴い、Lambda variantが優位に拡大していることから、RSYLTPGD246-253N変異の挿入が、南米におけるLambda variantの大規模な感染拡大と密接に関連していることが示唆された。
「RSYLTPGD246-253N」なる変異は、NTDの7つの連続した欠損ということでしょう。(RSYLTPGのdel=246-253番の7つ)
ただし掲載された「bioRxiv」は査読されていない論文が掲載されているので、どこまで信憑性があるかは不明とも言えそうです。
日本語のウィキペディアに項目がありました。
↑より引用
bioRxiv(バイオアーカイヴ)は、2013年11月に開始された生物学のプレプリントリポジトリである[2]。正式な表記はbioRχivで、χはエックスではなくギリシャ文字のχ(カイ)である。コールド・スプリング・ハーバー研究所 (Cold Spring Harbor Laboratory, CSHL) が運営している[3]。プレプリントであるので、bioRχivが提供する論文は査読されていない。しかし基本的な選別と剽窃の判別は行われている。読者はプレプリント論文にコメントを付けることができる。
ウィキペディアを信じると査読前ではありますが「基本的な選別と剽窃の判別は行われている」との事で一定の信憑性はあるとのこと。
不明な点は多いですがデルタ株並みか、それ以上に警戒すべき変異である事は間違いなさそうです。
コメント一覧